福重家住宅主屋・旧福幸製陶所(波佐見町) 近代和風 窯元の名残も

更新日
2024.12.04
情報提供
長崎新聞
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タイワンヒノキなど高級木材が使われている福重家住宅主屋。大広間は回廊が取り囲んでいる=波佐見町

木目が出ない「四方柾目(しほうまさめ)」の柱をはじめ、高級な「タイワンヒノキ」をふんだんに用いるなど細部にもこだわり、ぜいたくが尽くされている。享保年間創業の波佐見焼窯元、福重(ふくしげ)家が1928年に建築。京都の大工が手掛けたとされる木造平屋一部2階建ての近代和風住宅は2012年、国登録有形文化財に指定された。

入り口のトンバイ塀には、登り窯の内壁だった耐火れんがが使用され、窯元の名残を感じさせる。玄関を上がり、すぐ横の洋間には、家屋の外観からは想像できないほど昭和レトロの雰囲気が漂う。この家屋に住む福重祥子さん(76)は「玄関横に洋間を造るのが当時のはやりだったみたい」と教えてくれた。

大広間の周囲に回廊が巡り、ガラス越しには四季折々に違った表情が楽しめる庭園が望める。静寂の時間がしばらく流れ、夫の彪さん(79)が窓から見える歩道を指さした。「あそこに登り窯があって、たくさんの人が行き交っていた」

十代にわたって福重家が営んでいた福幸(ふっこう)製陶所は、01年まで生産。多い時期には約120人の従業員が働いていた。波佐見焼の特徴といえば「型屋」「生地屋」「窯元」といった分業体制だが、同製陶所は敷地内で生産工程が完結する貴重な場所だった。

外観がほとんど変わっていない建物群の前に立ち、想像してみる。職人の息づかいや往時のにぎわいの音が聞こえてきそうだ。

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