大瀬崎断崖(五島市玉之浦町) 視線をくぎ付けにする夕景

更新日
2025.05.13
情報提供
長崎新聞
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夕日に染まる海原と大瀬崎断崖。断崖の先端に大瀬埼灯台が立つ=五島市玉之浦町

波風に深く削られた断崖と、海の青、山の緑の美しいコントラスト。展望台の眼下に広がる島の壮大な自然に、思わず息をのむ。夕方になるにつれ、その景色は徐々に変化していく。日の入り前、すべてはオレンジ色に染まり、レンタカーに乗った夫婦やカップル、家族、写真家たちの視線をくぎ付けにした。

長崎県五島市福江島の最西端にある大瀬崎断崖と先端に立つ白い大瀬埼灯台。長崎海上保安部によると、灯台は1879(明治12)年に海抜83メートルで点灯を始め、1971(昭和46)年に再建された。高さ約16メートル、光度約3700カンデラ、光達距離約22キロ。長い間、東シナ海を航行する船舶の安全を支え続けている。

絶景を眺められるのは、大瀬山の山頂近くにある複数の展望スポット。その一つに設置されているのが南島原市出身で日本を代表する彫刻家、故北村西望氏が手掛けた「祈りの女神」像だ。太平洋戦争中、西の果ての大瀬崎を祖国最後の地として見納め、帰還できなかった多くの将兵を悼み、78年に建立。戦争と平和について考えさせてくれる。

山の上から灯台は小さく見え、断崖絶壁の迫力も相まって近づける感じがしない。しかし、実は1・2キロの遊歩道でつながっている。片道約20分の道中はツバキなど多様な植物が四方を囲み、その合間からの景色も風光明媚(ふうこうめいび)。かつて地元中学生の遠足の定番の道だったといい、灯台までたどり着くと、また違った大パノラマが待っている。

夕景はもちろん、昼や夜の景色も素晴らしく遊歩道の散策もお薦め。灯台は映画「悪人」のロケ地にもなり、断崖など一帯は西海国立公園に指定されている。秋は渡り鳥のハチクマが多数観察される愛鳥家たちの名所。

「町のシンボルであり自慢の場所」。元市職員で地元玉之浦町のまちづくり協議会メンバーは、こう胸を張る。「誰もが魅了される。夕日を眺めながらプロポーズするのもいい。きっと成功すると思いますよ」。“恋愛の聖地”としてもひそかに期待を寄せている。

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