“お気に入り”を探す 波佐見 日帰り旅

更新日
2023.02.02
情報提供
ANA長崎
※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。
お気に入りを探す 波佐見日帰り旅

古くからやきものの産地として知られる波佐見(はさみ)町。そこで作られる波佐見焼は暮らしに取り入れやすく、近年、若い世代から人気を集めています。町内には多くの窯元や商社が点在し、お気に入りの器を探しながら工房めぐりを楽しむ人も少なくありません。市場価格より2、3割お安く販売しているところが多いのも産地ならでは。波佐見焼の器でもてなしてくれるランチやカフェも見逃せません。うつわとグルメを楽しめる、ワクワクの日帰り波佐見旅へ出掛けてみませんか。

波佐見町ってどんな町?

長崎と佐賀の県境に位置する波佐見(はさみ)町。海岸線の長さが全国2位の長崎県で唯一、海に面していない地域です。特産品は波佐見焼。約400年前から窯業が盛んに行われ「やきものの町」として知られています。

波佐見町はこんなまち(バナー)
やきものの町として知られる波佐見町
やきものの町として知られる波佐見町

そのルーツは丈夫で使いやすい「くらわんか碗」。隣町の佐賀県有田町で生産される、繊細で華やかな有田焼とは一線を画す「庶民の器」を得意としています。長年磨いてきた技術に時代ごとのエッセンスを取り入れた暮らしになじむ日常使いの器は、近年、若い世代を中心に人気を集めています。

暮らしに取り入れやすい日用食器が得意な波佐見焼
暮らしに取り入れやすい日用食器が得意な波佐見焼

そんな波佐見焼の大量生産を可能にしているのが「分業制」。器の原型となる石膏型を作る「型屋」や素焼き前の生地を作る「生地屋」、絵付けから焼成までを行う「窯元」など、各分野のプロフェッショナルがチームプレーで器づくりを行っています。

窯元で焼成を待つ器たち
窯元で焼成を待つ器たち

今回は「やきものの町」波佐見でお気に入りの器を探す日帰り旅へ。いざ出発~♪

長崎空港から波佐見町へのアクセス

長崎空港周辺でレンタカーを借り、県道38号、国道444号を経由して大村ICから長崎自動車道を「佐賀・佐世保方面」へ。5分ほど車を走らせ、「大村湾パーキングエリア(PA、上り線)」に寄り道。

長崎自動車道の「大村湾PA(上り線)」
長崎自動車道の「大村湾PA(上り線)」

大村湾の美しい景色が眼下に広がります。広場ではハートゲートや背もたれがハートの形をした「ささやきベンチ」を発見。「恋人の聖地」としても知られているそうです。

眼下に大村湾の美しい景色が広がります
眼下に大村湾の美しい景色が広がります
ハートゲートや「ささやきベンチ」があり、「恋人の聖地」としても有名
ハートゲートや「ささやきベンチ」があり、「恋人の聖地」としても有名

上り線だけでなく、下り線も「恋人の聖地」に認定。下り線には教会風の休憩所「誓いの塔」もありました。

大村湾PA(下り線)にある教会風の「誓いの塔」
大村湾PA(下り線)にある教会風の「誓いの塔」

さらに10分ほど車を走らせ、武雄ジャンクション(JCT)から「西九州自動車道」を「波佐見有田・佐世保方面」へ。長崎自動車道から見えた海の景色とは一変、のんびりとした山の風景が続きます。

目的地に近い「波佐見・有田IC」までは10分ほど。ICを降りたら分岐を右方向「波佐見」方面へ進み、町中心部の「やきもの公園」を目指します。

波佐見・有田ICを降りたら右方向へ
波佐見・有田ICを降りたら右方向へ

5分ほどで「やきもの公園」に到着。世界を代表する12基の窯を再現した、世界でも珍しい野外博物館「世界の窯広場」があるユニークな公園です。ゴールデンウイーク期間に開催される「波佐見陶器まつり」のメイン会場でもあります。

長崎空港から「やきもの公園」まで約48km、所要時間約45分。高速道路を使えば1時間以内でアクセスでき、日帰りで波佐見を満喫できるんです。

「やきもの公園」をはじめ、窯元や飲食店など町内には無料の駐車スペースが多いので、レンタカーでお目当てのスポットを巡るのがおすすめです。

「やきもの公園」の入り口
「やきもの公園」の入り口
世界を代表する窯12基を展示する、やきもの公園内の「世界の窯広場」
世界を代表する窯12基を展示する、やきもの公園内の「世界の窯広場」

公共交通機関を使う場合は長崎空港から「ハウステンボス・佐世保・佐々方面」に向かう西肥バスに乗車。「川棚(かわたな)バスセンター」で下車(960円)し、波佐見方面のバスに乗り換えて約30分。タクシーを利用すれば川棚から20分ほどでアクセスできます。

町内観光に便利なレンタサイクルや周遊タクシーも充実していますよ。

「くらわん館」でリサーチ&観光情報ゲット

波佐見町内でやきものを販売している場所は50か所以上もあるそうです。「どこに行ったらいいの?」と迷ったら、まずは「やきもの公園」と同じ敷地内にある「陶芸の館」に行ってみましょう。この中にある「くらわん館」には30以上の窯元・商社の商品が並びます。気になる窯元をいくつかチェックして実際にお店に足を運んでみるというのもあり。もちろん、こちらで購入することもできますよ。

やきもの公園の近くにある「陶芸の館」の入り口
やきもの公園の近くにある「陶芸の館」の入り口
30以上の窯元・商社の器が並ぶ「くらわん館」
30以上の窯元・商社の器が並ぶ「くらわん館」

白磁に呉須(ごす)と呼ばれる藍色の染付が美しい「白山陶器」の定番アイテムや、動物や植物をモチーフにした「natural69(ナチュラルロック)」の器など、たくさんありすぎて目移りしてしまいます。「光和陶器」には今年の干支であるウサギの器が。優しいタッチの絵柄がかわいい~。

呉須の美しさが映える「白山陶器」の器
呉須の美しさが映える「白山陶器」の器
生きものをモチーフにした「natural69」の器
生きものをモチーフにした「natural69」の器
今年の干支であるウサギが描かれた「光和陶器」の器
今年の干支であるウサギが描かれた「光和陶器」の器

「陶芸の館」内には波佐見町観光協会もあり、観光パンフレットもいっぱい。器を販売している場所や飲食店などの情報も、ここに足を運べば直接教えてもらえます。

波佐見エリアの観光パンフレットも充実
波佐見エリアの観光パンフレットも充実

気になるおみやげも発見! 波佐見焼の製造工程で発生する石膏型を、農業用の土壌改良材に再利用して栽培した「八三三米(はさみまい)」2合と波佐見焼のご飯茶碗、箸置きがセットになった「八三三米くらわんかセット」(2970円)。2022年11月にデビューしたばかりのこちらは、キッチンを連想させるギフトボックス入り。この箱も波佐見町内にあるパッケージ―メーカー「岩嵜紙器」が手掛けたもの。オール波佐見産なんてすごい。

「八三三米くらわんかセット」(2970円)
「八三三米くらわんかセット」(2970円)

ご飯茶碗は波佐見焼のルーツである「くらわんか碗」を各窯元がアレンジしたもの。14種類から好きなデザインを選べます。箸置きは4色。どれにするか迷ってしまいます。

ご飯茶碗は14種類から好きなものを選べます
ご飯茶碗は14種類から好きなものを選べます
箸置きも4色から選べます
箸置きも4色から選べます

ランチは「AKARI~月光~」の波佐見焼御膳

「くらわん館」で窯元やグルメスポットの情報をゲットし、ランチの人気店へ。向かったのは「やきもの公園」から車で2分ほどの場所にある和食店「AKARI~月光~」。県道1号沿いのオレンジ色の壁が目印。お店の前に12台分の駐車場もあります。

オレンジ色の壁が目印の和食店「AKARI~月光~」
オレンジ色の壁が目印の和食店「AKARI~月光~」

エントランスには月をイメージしたオブジェ。和モダンな雰囲気に料理への期待も高まります。店内には畳敷きの部屋が六つ。すべて半個室なので、ゆっくりと食事を楽しむことができます。

月をイメージしたオブジェがお出迎え
月をイメージしたオブジェがお出迎え
六つある部屋はすべて畳敷きの半個室
六つある部屋はすべて畳敷きの半個室

ランチは3種類。そば猪口におかずを1品ずつ盛り付けた「波佐見焼御膳」、長崎和牛を使った「すき焼定食」、宮崎県出身の店主が作る「チキン南蛮定食」と和のラインアップ。どれも和食一筋に経験を重ねてきた店主の技が光ります。

「AKARI~月光~」のランチメニュー
「AKARI~月光~」のランチメニュー

お待ちかねの料理とご対面。注文したのは女性客に評判の「波佐見焼御膳」(1650円)。お造りや煮物、天ぷらなどの料理がそば猪口に少しずつ盛り付けられています。

波佐見焼のそば猪口に盛られた「波佐見焼御膳」(1650円)
波佐見焼のそば猪口に盛られた「波佐見焼御膳」(1650円)

そば猪口は波佐見焼。しかも1点ずつ窯元が違うんです。比べてみるとデザインはもちろん、手触りや器の大きさなど少しずつ異なっているのがわかります。

気に入ったそば猪口の一部は、お店で購入することも可能です。窯元やショップの案内もしてくれるので、気軽に尋ねてみてくださいね。

料理ごとに異なるそば猪口に盛り付け。窯元もそれぞれ違います
料理ごとに異なるそば猪口に盛り付け。窯元もそれぞれ違います

ご飯やお味噌汁も抜かりなし。ぷるんと滑らかな茶碗蒸しとフルーツも付いて満足感たっぷりです。「波佐見焼御膳」は数量限定。人気なので予約がおすすめです。

ご飯とお味噌汁に、茶碗蒸しとフルーツ付き
ご飯とお味噌汁に、茶碗蒸しとフルーツ付き

波佐見焼の器を見て触って味わって。「やきものの町」らしさを五感で楽しめるランチとなりました。ごちそうさまでした~。

職人が作る繊細な器に感動~アトリエビスク~

お腹も満たされたところで器探しへ。向かったのは2019年に工房&ギャラリーを構えた「アトリエビスク」。波佐見では分業制で器をつくりますが、こちらは、ろくろを使って磁器を一から作っているんです。

場所は県道から細い路地を入った先。道沿いに黄色い案内板があるので、見逃さないようにご注意を。そこから350mほど進むと、まるで雑貨店のような平屋の建物が見えてきます。

県道沿いにある黄色い案内板から細い路地に入ります
県道沿いにある黄色い案内板から細い路地に入ります
2019年にオープンした工房&ギャラリー「アトリエビスク」
2019年にオープンした工房&ギャラリー「アトリエビスク」

穏やかな雰囲気に包まれたギャラリー。窓から差し込む自然光が、器をやさしく照らします。

穏やかな雰囲気のギャラリー
穏やかな雰囲気のギャラリー
自然光が器をやさしく照らします
自然光が器をやさしく照らします

脚の絶妙なカーブ、胴の豊かなふくらみ。ろくろの曲線をいかした、「ワインカップ」の美しいたたずまいに心奪われます。ちょっぴりくすんだマットな質感もすてきです。

職人の太田祐子さんは波佐見焼の伝統工芸士の資格保有者。国家検定のろくろの一級技能士の資格も持つほど、高い技術力が評価されている方なんです。

ろくろの曲線をいかした「ワインカップ」4730円
ろくろの曲線をいかした「ワインカップ」4730円

とはいえ、太田さんに堅苦しい雰囲気は一切なし。穏やかな笑顔で出迎えてくれました。タイミングが良ければ、ギャラリーに併設する工房で作業の様子を見学することもできます。

この日はワインカップを削る作業を行っていました。ワインカップ特有の細い脚を、ろくろで成形するのはとても難しいそうで、ある程度形を作った後に理想とする形や厚さにするために削っていくそうです。

工房で作業を行う太田祐子さん
工房で作業を行う太田祐子さん

1300℃の窯の中に入れて焼くため、生地がきゅっと縮むそう。その変化まで計算し、焼き上がりの形を想像しながら作業を進めます。比べてみると違いがよくわかりますね。

焼き上がりの生地の縮みも計算しながら作業を進めます

太田さんに話を聞いた後に器を見ると、あらためて職人の手仕事に圧倒されます。縁取りが印象的な「フリルケーキ皿」(3520円)や「フリル花びん」(小:3850円、大:4730円)の美しさにうっとり。「フリル花びん」は写真のピンクベージュのほか、白磁もあります。ピンクベージュは釉薬(ゆうやく)の具合で、焼き上げると生地の薄い部分にゴールドが混じるんだそう。その出方までは計算できないそうで、1点ずつ違う表情に。やきものって不思議ですね。

「フリルケーキ皿」(3520円)、「フリル花びん」(小:3850円、大:4730円)
「フリルケーキ皿」(3520円)、「フリル花びん」(小:3850円、大:4730円)

アトリエビスクの近くには1937年建造の木造洋館「旧波佐見町中央小学校講堂兼公会堂」。風格のある玄関が特徴で、内部は教会を思わせる雰囲気。一般開放されていて無料で見学もできます(正午~午後4時、水曜休館)。

1937年建造の「旧波佐見町中央小学校講堂兼公会堂」
1937年建造の「旧波佐見町中央小学校講堂兼公会堂」
内部は教会を思わせるようなレトロモダンな空間
内部は教会を思わせるようなレトロモダンな空間

のどかな風景が懐かしい「陶郷 中尾山」

次は「陶郷 中尾山(なかおやま)」へ。「やきもの公園」から車で5分ほど。のどかな田園風景の中にたたずむ白いゲートが見えてきました。しばらく進むと、レンガ造りの煙突がぽつりぽつりと現れます。

「陶郷 中尾山」に続く白いゲート
「陶郷 中尾山」に続く白いゲート
レンガ造りの煙突を備えた窯元が軒を連ねます
レンガ造りの煙突を備えた窯元が軒を連ねます

風景にとけこむように、約20の窯元や商社が立ち並ぶ「陶郷 中尾山」。メインストリートには、窯元の場所を案内する看板があるのでお目当ての場所まで迷わず行くことができます。

窯元や商社の場所を示す看板も
窯元や商社の場所を示す看板も

やきものの町らしさがあちこちに。橋の欄干や歩道に陶器やその破片が埋め込まれており、写真を撮りながら町歩きするだけでも楽しそうです。

波佐見焼があしらわれた橋の欄干
波佐見焼があしらわれた橋の欄干
歩道にも波佐見焼
歩道にも波佐見焼

高台には、中尾山の窯元や商社の代表的な器を集めた「中尾山交流館」があります。地図やパンフレットもそろっているので、ここでリサーチして出かけるのもおすすめです。

町の高台にある「中尾山交流館」
町の高台にある「中尾山交流館」
中尾山の窯元や商社の代表的な器がずらり
中尾山の窯元や商社の代表的な器がずらり

通りにある看板を頼りに、1984年創業の「光春窯(こうしゅんがま)」へ。ギャラリーには伝統的な白磁や赤絵を模した器をはじめ、若手職人の作品も並んでいます。

案内板を頼りに1984年創業の「光春窯」へ
案内板を頼りに1984年創業の「光春窯」へ
伝統的な白磁のほか、若手職人の作品も並ぶギャラリー
伝統的な白磁のほか、若手職人の作品も並ぶギャラリー

「光春窯」は釉薬(ゆうやく)にこだわった器が評判。釉薬とは陶磁器の表面に付着させるガラス質の膜のこと。器の色や風合いを左右するもので、つやっとした質感のものもあれば、光沢のないマットなものもあります。

その特徴がよくわかるのが「蛍手(ほたるで)」。乾燥する前の素地を紋様型にくりぬき、透明な釉薬を埋め込む波佐見焼の伝統的な手法。飲み物の色や光がほのかに透けるんです。

波佐見焼の伝統的な技法「蛍手」で作られたカップ1600円
波佐見焼の伝統的な技法「蛍手」で作られたカップ1600円

工房には若い職人さんも多く、時代に合わせたものづくりを行っています。新作の「Naturalシリーズ」はシンプルで使いやすい形と、ニュアンスのある落ち着いた色みが現代の暮らしにマッチ。

定番の白はちょっとオリーブがかった色。同じ色でも窯の温度などによって、色の出方が少しずつ異なります。1枚ずつ見比べながら自分好みのものを探すのも楽しい時間です。

シンプルで使いやすい形の「Naturalシリーズ」。プレート(S)1600円~
シンプルで使いやすい形の「Naturalシリーズ」。プレート(S)1600円~
同じ色でも1枚ずつ釉薬の出方が異なります
同じ色でも1枚ずつ釉薬の出方が異なります

ほかにもオーブンやレンジ対応の器、スイーツのようにおいしそうな箸置きや小皿など、すてきな器がいっぱい。しかもギャラリーの商品は20%オフ。

「光春窯」以外の各窯元や商社のギャラリーも割引価格で買えたり、お得なワケあり商品があったり。毎年ゴールデンウィークに開催される「波佐見陶器まつり」や「陶郷中尾山 桜陶祭」といったイベント開催時期以外もお得に買い物ができます。ゆっくり、のんびり器探しができるので、おすすめです。

せっかくなので、日本の棚田百選にも選ばれている「鬼木(おにぎ)棚田」にも足を伸ばしてみました。中腹にある展望所からその景色を一望。なだらかな斜面に何十段もの田んぼが連なっていました。

日本の棚田百選にも選ばれている「鬼木棚田」
日本の棚田百選にも選ばれている「鬼木棚田」

毎年秋には「鬼木棚田まつり」が行われており、地元の人が手作りするユニークなかかしが見物客の笑いを誘います。その姿は本当にリアル。近くにある直売所「鬼木の台所/鬼木加工センター」の前にいたかかしに、思わず話しかけそうになりました(笑)。

棚田米やみそなどを販売する直売所「鬼木の台所/鬼木加工センター」
棚田米やみそなどを販売する直売所「鬼木の台所/鬼木加工センター」
畑を眺めるリアルなかかし
畑を眺めるリアルなかかし

ここでは農家のお母さんたちが作る梅干し「裏山の梅」(540円)などの加工品、棚田米やお茶を販売。なかでも地元産の大豆を使った無添加の「鬼木棚田みそ」(540円)が評判なんだとか。このみそを使ったフリーズドライ製法の「野菜のみそ汁」(3袋420円)は、お湯を注ぐだけでお味噌汁が完成。ゴボウ、タマネギ、ホウレンソウなど具だくさんで、新たなおみやげ品として注目されています。

「野菜のみそ汁」(3袋420円)、「鬼木棚田みそ」(540円)、「裏山の梅」(540円)
「野菜のみそ汁」(3袋420円)、「鬼木棚田みそ」(540円)、「裏山の梅」(540円)

窯元の直営カフェで楽しむ呉須色クリームソーダ

長崎空港に戻る前にちょっと休憩。「やきもの公園」のそばにあるカフェ「ZOE L’atelier de poterie(ゾエ・ラトリエ・ドゥ・ポトゥリー)」に寄り道しました。

こちらは1979年創業の窯元「一誠陶器」の直営店で、オリジナルのプロダクトライン「ZOE」の器が並ぶショップにカフェを併設。2021年10月にオープンしたばかりの新店ながら、SNSなどで話題を集めています。

「一誠陶器」が営むショップ&カフェ「ZOE L'atelier de poterie」
「一誠陶器」が営むショップ&カフェ「ZOE L’atelier de poterie」
ショップにはオリジナルのプロダクトライン「ZOE」の器が並んでいます
ショップにはオリジナルのプロダクトライン「ZOE」の器が並んでいます

古民家をリノベーションして作られた店内はおしゃれな雰囲気。カフェのカウンターには、焼成前のやきものを運ぶ長い板を再利用しているそうです。元の古民家にあった欄間が、空間に落ち着きを添えています。テラス席もあるので、天気がいい日は、外でお茶するのも気持ちがよさそうです。

古民家にあった欄間を再利用したカフェのカウンター
古民家にあった欄間を再利用したカフェのカウンター
天気がいい日にはテラス席もおすすめ
天気がいい日にはテラス席もおすすめ

メニューはコーヒーやフラッペなどドリンク中心のラインアップ。すべてテイクアウトできます。

ドリンクのメニュー
ドリンクのメニュー
デザートのメニュー
デザートのメニュー

このお店に来たら、絶対に注文したいと思っていたのが「呉須(ごす)色クリームソーダ」(550円)。呉須は、昔ながらの波佐見焼の絵付けに使われる藍色の絵の具のこと。藍色と黒をミックスしたような独特の色のベースは、ブルーハワイのシロップ。そこに竹炭パウダーなどを混ぜてオリジナルの色にたどり着いたそうです。バニラアイスとホイップクリームの白、そしてチェリーの赤が際立って、とてもきれい。

波佐見焼の絵付けに使われる絵の具の色を再現した「呉須色クリームソーダ」(550円)
波佐見焼の絵付けに使われる絵の具の色を再現した「呉須色クリームソーダ」(550円)

ZOEオリジナルの波佐見焼のマグカップ付きケーキ「ガトードマグ」も人気者。ケーキは3種類から選べ、季節ごとに内容が替わります。今回は「レアチーズ」(980円)をチョイス。ケーキはベイクドチーズとレアチーズの2層仕立て。カシスソースやキイチゴなどベリー系の酸味、クランブルの食感が楽しいアクセントに。上に乗った「833(はさみ)」のクッキーもかわいすぎます。

「ガトードマグ」の「レアチーズ」(980円)
「ガトードマグ」の「レアチーズ」(980円)

ケーキが入ったマグカップは、ちょっとしたムラや傷がついた、いわゆる「B品」。食べ終わったら持ち帰ることができます。自分が食べたあとのカップじゃなくてもOK。「どれにしますか?」とスタッフさんがマグカップを持ってきてくれます。イートインの場合はドリンクも無料サービス。コーヒーは同じ波佐見町にある「イソザキ珈琲」が焙煎した豆を使用しています。ほっと落ち着くやさしい味です。なんともお得なこの「ガトードマグ」は数量限定。早い時間帯に売り切れることもあるそうなのでご注意を。

「ガトードマグ」のマグカップは持ち帰りOK
「ガトードマグ」のマグカップは持ち帰りOK

ドリンク&スイーツでひと息ついたらショップ内をぐるり。「一誠陶器」は手書きが得意な窯元として評判。オリジナルラインの「ZOE」も個体差が出るよう、あえて手書きすることで器を選ぶ楽しみを感じてほしいとのこと。毎日の暮らしの中で使いやすいようにと考えられており、マグカップや丼は見た目より軽いのも特徴。日用食器を得意とする波佐見焼らしさは、しっかり受け継がれているようです。

手書きが得意な「一誠陶器」らしさを感じるオリジナルライン「ZOE」の器
手書きが得意な「一誠陶器」らしさを感じるオリジナルライン「ZOE」の器

話題のお店がオープンするなど、日々アップデートし続ける波佐見町。訪れるたびに新鮮で楽しい発見があります。ランチもおみやげも、波佐見らしさあふれるものばかり。いろんなカタチで波佐見の魅力を満喫できた、楽しい一日となりました。

■番外編

今回の日帰り旅で出合った器を使うたびに、波佐見で過ごした楽しい時間を思い出します。

「八三三米くらわんかセット」のご飯茶碗に八三三米のご飯を盛り、「ZOE L’atelier de poterie」のマグカップに「鬼木の台所/鬼木加工センター」のフリーズドライの「野菜のみそ汁」を入れて。「光春窯」の器には「裏山の梅」をちょこんと乗せてみました。

「アトリエビスク」の「フリル花びん」を部屋に飾って。花をたくさん生けなくても、花びんの存在感だけでとても絵になります。

波佐見焼の器やフリーズドライのみそ汁など、波佐見みやげを日々の食卓に
波佐見焼の器やフリーズドライのみそ汁など、波佐見みやげを日々の食卓に
「アトリエビスク」の「フリル花びん」は部屋のアクセントに
「アトリエビスク」の「フリル花びん」は部屋のアクセントに

お気に入りの波佐見焼の器が日々の暮らしを彩ってくれそうです。

みなさんもぜひ、お気に入りの器を探しに波佐見に出かけてみてくださいね。

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